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局面を切り取る連載その2:相手陣地でのビルドアップ

局面を切り取る連載その2:相手陣地でのビルドアップ

 河童戦術:39ft:
局面を切り取る連載その2:相手陣地でのビルドアップ

39ft:
局面を切り取る連載その1:自陣でのビルドアップ』の続きです。連載その2は相手陣地でのビルドアップについてです。自陣からボールを前進し相手陣地へ侵入できたけど相手の守備陣形が整っている場合はどこを見るのか。というところを説明したいと思います。





相手陣地でのビルドアップで注目するのは「縦パス」です。特に相手の最終ラインと2列目のラインの間に入れるパスは「スイッチを入れる」と考えます。つまり組み立てから仕上げ(得点を奪う)に切り替わる場面ですね。そのスイッチとしてライン間への縦パスを見るようにしています。もちろん中盤をすっ飛ばして最終ラインの裏へ蹴る場合もありますがそういうのはまた今度。









これは自陣でのビルドアップでも紹介した部分ですけど、ポジショニングとパスで相手を動かします。香川真司もユナイテッドでこれをよくやってましたけど理解されず「バックパスが~」とか叩かれてましたね。意味わからん。





レイソルはこのようにパスコースがいくつもあります。これは選手同士の距離感がいいからですね。それぞれがポジショニングを意識してチームとしてボールを動かしていますね。また最終ラインには裏へ抜ける動きもあります。近すぎたり遠すぎたりということがあまりなく、各選手が自分の役割をわかっていて連動して動いてる印象がすごくあります。









で、「スイッチが入る」場面。黒枠の中でボールを受けます。もしここでボールを受けて前を向けると完全にチャンスなのですが相手がプレッシャーをかけてきているのでワンタッチで前を向いている味方へパスをします。ちなみにこのボールにプレッシャーをかけてきた選手の後ろにはギャップというのができます。もしここに味方が入り込んでボールを受けるとオフサイドにはなりませんし前を向いてボールを持てます。なのでギャップというのはすぐ修正しなければなりませんよ。







この場面では柏右サイドの裏のスペースにパスを出して伊東が1対1の場面となりました。まず相手陣地でのビルドアップで見るポイントは「縦パス」をいつ・どこへ・誰が・なぜ・どうやって出すかというところを見てると面白いかもしれません。

もちろん縦パスというのはリスクがあります。パスカットされて入れ替わられるとわりとピンチになりやすいです。ただ縦パスの場合は大抵パスを出した人がすぐ守備に入れることが多いのでそこで止めれると未然にピンチを防げたりします。

その代わりやってはいけないこと。それは「横パスをカットされること」です。横に出したパスをカットされると急に守備へ入れない(ボールの近くに味方がいない)ことがあって、そうなるとカウンターのピンチです。これは気をつけましょう。


では先ほどの場面からの続きを。





実は最初のGIFの少し前からこのGIFまで約1分ほどアビスパは一切ボールには触れることができずずっと柏レイソルが相手を押し込んでボールを繋いでいます。半端ないですね。





右に左に前に後にと揺さぶられたアビスパは守備の陣形が崩れてきてます。ところどころ危険な場所が空いてきましたし、なによりレイソルのパス回しが速いためボールに対してプレッシャーがかからなくなっています。これは危険な兆候です。







そしてスイッチが入った場面。今度は前を向いてボールを持てました。こうなるとなんでもありですね。ちなみにバイタルエリアっていうのはどうやら医療用語のバイタルサインから来ているという話を聞いたことがあります。つまりバイタルとは血圧、脈拍、呼吸、体温のような生きるか死ぬかの命にかかわる大事な部分で、バイタルエリアというのは例えるなら「ここで前を向いてボールを持たれたら死ぬよ?」ってことです。つまりここで前を向かれたアビスパは瀕死の状態だということです。

なお、そろそろお気づきかもしれませんが、いちいち左サイドに「輪湖」と入れてます。なぜかというとそのサイドでポジショニングを取り続けているからです。よくとある日本代表の某選手なんかはこういうサイドに張るようなことはなく中に中に最初から入っていくこともありますが、このサイドでポジショニングを続けるってのは大事なことです。輪湖が外に居続けることで中の選手を助けているのです。また、外に居続けることで最終的にチャンスに絡めたりもするわけです。





バイタルエリアで前を向いてボールを持たれたことで瀕死のアビスパですが、ここで後ろにパスを通されます。結果としてゴールにはなりませんでしたが、もう完全に崩されたっていう場面でしたね。


このように相手陣地でのビルドアップの場面では特に「縦パス」に注目して試合を見てはいかがでしょうか。この縦パスがスイッチとなり味方がいっせいに前を向いて前進しゴールまで繋がったときは快感です。

ちなみにこのラインの間へのパスのほかにも相手最終ラインの裏へ抜けるパスやサイドでの1対1など、他にも見どころはいくつかあるのですが、まずはここ!ということで縦パスをチョイスしてみました。

次回は「スイッチを入れる」からの「ゴールを奪う」を予定しています。

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