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サッカー日本代表「近」未来予想図:前編:アジアカップ敗退要因を考える。メンタル厨にはおすすめしません

サッカー日本代表「近」未来予想図:前編:アジアカップ敗退要因を考える。メンタル厨にはおすすめしません

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サッカー日本代表「近」未来予想図:前編:アジアカップ敗退要因を考える。メンタル厨にはおすすめしません

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ここ数日は敗戦のショックが重くなかなか筆の進まない毎日でしたが、いろいろ考えがまとまってきたので今回はアジアカップの敗因と今後の展望を書こうと思います。前もって言っておきたいのは「メンタルに敗因を求めるのはまったくの間違い」ということ。

「メンタルが~」とか「表情がやばい」という意味不明な理由で選手を叩いているひとを見かけますが、そんなものは論理的な敗因を見い出すことができていないひとたちの八つ当たりだと思っています。ちゃんとサッカーを語りましょう。というわけでまずはアジアカップの敗因を3つほどあげてみます。


1.今野の負傷

イラク戦の途中から投入された今野でしたが、この試合の終了間際で負傷してしまい今大会は結局間に合いませんでした。いまの日本代表はまだアギーレの戦術や狙いが浸透しておらず、戦術理解度の高い一部の選手にキーとなるポジションを託してなんとか形にしています。そのキーとなる欠かせない選手のひとりが今野でした。

アギーレの戦い方というのはわりと「リアクション」が多く相手の状況に合わせて変化します。それを体現できる今野を使えなかったというのは、UAE戦でもかなり痛かったかなと。自分の予想としては、もし使えていれば遠藤を外し今野と長谷部のダブルボランチにした4-4-2でUAE戦を戦うのではと予想していました。しかし怪我で間に合わず、結局は今一番慣れている戦い方をやるしかなかったのでは。

常に先発という構想ではないものの、代えのきかない選手のひとりである今野を失ってしまったということで戦術的に大きく制限されていました。これは選手のユーティリティが欠如しているのも関係していて、ザック時代からポジションと役割を固定されていた選手ほど顕著になっています。

ブラジルW杯から半年という短い準備期間で臨んだ日本代表としては、ある程度ザッケローニの財産を活用して戦う必要がありましたが、今後はW杯予選へ向け新しくチームを作ることになると思います。そのときは間違いなく「複数のポジションと役割ができる選手」を選んでいくのではないでしょうか。


2.和田一郎

[指導歴]Wikiより
00年 - 14年 日本サッカー協会 各日本代表テクニカルスタッフ
01年 FIFA U-17世界選手権 U-17 日本代表担当
02年 日韓ワールドカップ 日本代表担当
03年 FIFA コンフェデレーションズカップ フランス 日本代表担当
04年 アテネオリンピック U-23 日本代表担当
05年 FIFA コンフェデレーションズカップ ドイツ 日本代表担当
05年 日本サッカー協会 ナショナルトレセンコーチ
06年 ドイツワールドカップ 日本代表担当
06年 日本サッカー協会 ナショナルトレセンコーチ
10年 南アフリカワールドカップ 日本代表担当
10年 - 14年 日本代表アシスタントコーチ
15年 ガンバ大阪 アシスタントコーチ

02年日韓大会、06年ドイツ大会、10年南アフリカ大会、14年ブラジル大会と4度のワールドカップ(W杯)に分析スタッフ、アシスタントコーチとして関わったほか、04年アテネ五輪でもU―23日本代表チームを担当。代表合宿では、紅白戦で人数が足らないポジションに入ってプレーすることもあり、気さくな人柄と万能なプレーぶりで「ワドゥー」の愛称で親しまれた。

顔を見るだけで全アジア選手の名前と特徴ががわかる「分析の神」と言われた和田一郎さんがブラジルW杯を持って日本代表スタッフを退任され、今季からはガンバ大阪へ加入しています。これはおそらくガンバ大阪が「本気でACLを獲りに行く」と考えたうえでの起用なのでしょう。

ここでひとつの疑問が。これまで和田さんが培ってきたノウハウや知識、生きた情報というのが今回のアジアカップでどれだけ活かされたのだろうか。まさかスタッフが変わったのでアギーレさんには昔の情報だけ渡してほぼ白紙の状態でアジアの舞台を戦わせたのではないだろうかと。

これは、いちブロガーでは深く調べることのできない領域であり憶測の範囲となるのでこれ以上の追及はできないのですが、日本代表がこれまで築いてきたノウハウや情報は監督やスタッフが変わっても引き継がれているのか。少し心配なところでもあります。


3.豊田投入のメッセージ

UAE戦の後半、日本は岡崎に代えて豊田を投入しました。岡崎の負傷ということもあってのことだろうけど、この交代で想定されることは「豊田を起点としたポストプレイ」や「サイドからのクロス」など。たしかにUAEはクロスの対処で不安定な守備を見せていたように思います。またサイドの深い位置へ侵入すると、ボールへ集中し逆サイドが空くという弱点も。そこへアギーレが豊田投入を決断したのだが。

しかし、日本代表の戦い方は変わらなかった。相変わらず相手が固めている中央へ攻め込み跳ね返された。武藤や柴崎はアギーレの意思を感じ、それに沿った戦いをしていたように見えたのですが、ザッケローニ時代から主力として活躍していた選手たちは、その変化に対して反応しなかったように思います。

これはアギーレになってそうなったわけではなく、ザッケローニ時代からもそうだった。ハーフナーマイクを投入しても、高さで勝負しようとしない。誰も彼を目掛けてクロスを出さなかった。噂ですが、ザックは本田などの一部の選手との対話の中で、選手の意見を尊重し繋ぐサッカーへとシフトしたと言われています。さらには攻撃的なサッカーを目指し当初のバランスと勇気をもったサッカーは崩壊していった。

もし、アギーレが交代でメッセージを出したにもかかわらず「俺はこう思う」と無視したのであるとすれば、そういう選手は外すべきでは。あくまでも監督のプランが最初にあり、与えられた役割のなかで自分の持ち味をどう表現するかというのが代表選手のパフォーマンスであるべきだと思っていて、そういう柔軟性を兼ね備えた選手を今後は選んでいくのではないでしょうか。


最後に。

以上の3点をアジアカップ敗退の要因と考えている。ユーティリティの欠如、継続と上積みや共有の欠落、柔軟性と戦術理解度、この3点で日本代表には課題があったのではないだろうか。ひとつ言えることは、これはアギーレの問題ということではない。長年日本代表が積み重ねてきたうえでの結果だということ。

このアジアカップが終わったことで、岡田からザッケローニと続いてきたひとつのサイクルが終焉を迎えた。ここからは18年W杯へ向けた新しいチームを作る時期となる。つまり若返りを図り、アジア予選を勝ち抜き、W杯で結果を出すためのチームを作っていく準備が始まっていく。

少し長くなってしまったので、今回はここまで。後編では新しく生まれ変わる新生日本代表のメンバーや戦い方、今後の展望を書く予定。いつ書くかはわかりませんが、きっと書きます。乞うご期待。

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